顔の輝き

悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい
(聖書 ルカによる福音書 6章28節)


イスラエル聖書協会のサイトに素敵なエピソードが掲載してありました。著者アンディさんのご了解をいただけたので、翻訳してお伝えします。

テル・アビブの灯火

 テル・アビブ聖書協会は、街の中心部にあります。そしてお隣には理髪店があります。

 ある日私(アンディ)は、整髪してもらいに店に入っていきました。そうしたら理容師さんが、凍り付いたようになって、こう言ったのです。 「あんたたちには、むかついてるんだよ!、ユダヤ人が読んじゃいけない新約聖書を売っているんだから。」
 私は答えました 「なぜ?、だってイエス様はユダヤ人だし、新約聖書はピュアなユダヤ人の本ですよ。なぜ売ってはいけないんですか?」
 私の答えが気に入らなかったのでしょう、彼女はむっつり無愛想になりました。

 カットがほとんど終わりかけた頃に、彼女は私の眼を覗き込んで言いました。「私にはないものをあなたは持っている。どうしてあなたの顔はいつもそんなに輝いているの?」
 「私の顔が輝いているのは、あなたが”ユダヤ人には売ってはいけない”と言った本を信じているからですよ。」と答えました。しばし彼女は考え、「私にぜひ新約聖書をくださいな。私も顔を輝かせたいわ。」と言いました。

 私はこの大きな幸運を下さった神さまを誉め讃えました。だって私は福音に対して極めて否定的な人に新約聖書をあげることができたのですから。

 どうかテル・アビブにある私たちのことを覚え、祈ってください。私たちはこのような地域の状況の中で、とても困難に時を過ごしています。どうか暗闇のテル・アビブの中で、私たちが引き続き”灯台”でいられ続けますように。

 テル・アビブのスタッフ全員が、神の祝福があなたにありますように願っています。

テル・アビブ聖書協会
アンディ・ボール

アンディさんは一番左の男性。イスラエル生まれです。隣の女性はインド生まれのインド系ユダヤ人クリスチャンで正社員。他のお嬢さんたちはフィリピンからやってきたボランティアで、フルタイム献身的に奉仕してくださっているそうです。

※ 註 イスラエルでは長い間新約聖書は販売禁止本でした。ただし、外国人へなら売っても良いという、変な決まりでした。しかし長期に渡るイスラエル聖書協会の努力により、1993年になって、とうとうイスラエル政府はヘブライ語訳聖書(新旧両訳)を最も優れた翻訳出版物と認めたのです。 イスラエル聖書協会は、近隣諸国のクリスチャンのためにアラビア語の聖書も刊行しています。イランやイラクなど、自国内で入手できない人たちの多くはイスラエルに行って聖書を買い求めているのです。

どうか皆様も日本に比べてずっと厳しい状況にあるイスラエル聖書協会のスタッフため、またパレスチナの平和のためにお祈り下さい。 私たちもアンディさんたちみたいに希望をもって「名古屋のともしび」になれたらいいな、と思います。